2015年11月22日日曜日

小さなことから





到着当初はドナーからの資金が途切れていてセッションが行えない状況でしたが、無事資金がおりて、今週から約一か月ぶりにプロジェクトが再開しました。
そんなわけで手持無沙汰ながらもさほど気にしていないのんびりモードのオフィスに戸惑いつつあった先週までとは打って変わって今週は土日も返上で毎日ブシア内のあちこちに出かけていってセッションを行うという忙しい毎日です。


HIV/AIDsについて
ケニアの平均寿命は48歳前後と日本の85歳前後というデータと比べるとほとんど半分の長さ。もちろんこの数字には乳幼児死亡率のなどが影響していて、あくまでも平均であるわけだけどHIV/AIDsはまだまだアフリカやアジアの途上国を中心に感染者死者ともに多く、国が取り組む課題の一つとなっています。
現在ケニアはUNAIDS(国連合同エイズ計画)が定めるHIV/AIDsに対して特に活発な取り組みが必要とされるサブサハラアフリカの21か国(21 Global Plan Priority Countries)の一国であり、ケニアも国を挙げて様々なプロジェクトに取り組んでいます。2013年のデータによると国内の感染者数は160万人、全人口に占める感染者率は6.04%。毎年10万人の感染者が新たに報告されています。ナンバレオフィスのフィールドであるブシアの感染者数約2万人、感染者率は6.8%と47カウンティ中9番目という高い数値です。

現在行ナンバレオフィスで行われているプロジェクトは思春期の子供や妊婦の健康管理をサポート、HIV/AIDs予防啓発・感染者に対する差別撲滅を主な課題としています。
具体的には各コミュニティに出かけて行って、予め研修を受けたファシリテーターとオフィスのスタッフが主となって健康・性・家族などについてのレクチャーを行います。

そうはいっても簡単にいくことばかりでは無く、基本各集落レベルで移動から参加者集め、セッションの運びに至るまで行うので課題も多くあります。
セッション実施フィールドまでは乗合バンマタツを使うこともあればスタッフ自らレンタカーの要領でバイクを借りて向かう時もあり、多くのコミュニティにはマタツが乗り入れていないのでバイクで道なき道を土埃になりながら向かいます。雨に降られれば時間通り到着できないこともあるし、そもそも参加者がきちんと来ない時もあります。
参加者集めは各コミュニティ内のモビライザー(呼びかけ係的な人)が主となって行いますが事前に決めたとおりのグループをきちんと当日集めてこられる真面目な人もいれば、全く人を集めてこないモビライザーも稀にいます。(その割に手当だけは要求してくる、、。)
開催場所もコミュニティ内の学校や公民館や教会などで行える時も有れば、道端に椅子を並べて行う時もあったりと様々です。
その他セッションを補佐するファシリテーターも個人によって能力にバラつきがあり、各回でセッション内容に差が出てしまうのも事実です。

その他各地でボランティアによって行われているセッションでを監督するのもADEOの役目ですが、どうやって把握してるかスタッフに確認すると「俺の頭の中に全部入ってるからノープロブレム。」という感じで、基本会計以外(会計もちょっと怪しいけど)の手続きは徹底してないので、こうした小さいいい加減さが積み重なって、全体的な緩さにつながっているのを感じます。
なら小さなところから一つでも、と思ってオフィスの隅の書類の山を整理し始めました。保健・栄養教育のマニュアルや書類の山を崩していくとなぜか干からびた食べかけのトウモロコシがでてきたりしますが。

気性の激しい私ですがイライラしたり落ち込んだりしていても、周囲の圧倒的なポレポレ精神(スワヒリ語でゆっくりゆっくりいこうよ)の前になすすべもなく、ちょっと前より変な焦りもなくなって少し落ち着いて向き合えるようになってきたように思います。

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